蔵王山登山と青根温泉 湯元 不忘閣の旅の記録
蔵王山(ざおうさん) 山形県 1,841m 登りやすさ★★★
日本百名山、東北百名山
【蔵王山ってどんな山?】
✓北蔵王の最高峰
✓駐車場との標高差が100メートルと少ない
✓背の高い植物が生えていないので見晴らしが良い。登山ルートも見えるので、自分の位置が確認できて登りやすい
✓駐車場から山頂までは往復で2時間。途中に御釜があり、日によっては観光客も多くいる
✓火山活動が活発で、いたるところに注意書きがされている
【蔵王山までの道のり】
9月中旬、天気は晴れ☀
今回は、御釜に近い宮城県白石蔵王駅まで新幹線で向かい、現地でレンタカーを借りて移動!
蔵王山頂レストハウスまでは、蔵王エコーライン、蔵王ハイラインを通って山を登る。車酔いしやすい私は、自分で運転していても酔いそうなくらいのカーブが多い道。お手洗いもほとんどないので、街でお手洗いに行ってから向かうのがおすすめ
この蔵王エコーライン、冬季(11月~4月)は積雪のため通行止め
数年前のGWに訪れた時には、悪天候の影響で例年より閉鎖が長引いていたことを知らず、蔵王エコーラインの入り口まで行って無駄にくねくね道を往復して車酔いして終わったが、今回は無事通ることが出来た
そう、今回は数年前のつらいドライブの記憶を塗り替える、御釜リベンジ旅でもある!
蔵王ハイラインの料金所で、通行料550円を支払う。(こちらも11月~4月は閉鎖しているので注意!)そこからまた少し登ればすぐに蔵王ハイラインの終点、蔵王刈田岳山頂駐車場(350台収容可能)に到着
祝日のせいか、第一駐車場はほぼ満車。だけど意外と帰る人も多いようで、入り口で5分ほど待っただけでスムーズに駐車できた。少し歩いた先にある蔵王山頂レストハウスには、トイレや食堂、お土産売り場がある
少しアクティブに移動したければ、蔵王ハイラインに入らず、手前の刈田リフトの無料駐車場に車を停めて、有料リフトに乗ることも可能。こちらにもトイレはあるらしい。リフト料金1人往復800円、片道550円 (9:00~16:00)
蔵王刈田岳山頂駐車場では、美味しい焼きトウモロコシが売られていた。例年よりも暑さが長引いているとはいえ、標高が高いので少し肌寒い。そこに香ばしい醤油の香りがする、出来立てのあつあつ焼きトウモロコシ・・・買いたい衝動を抑えて、焼きトウモロコシの横を足早に通り過ぎ、向かった先は、今回のお目当て「御釜」!!
あいにくの曇り&流れてくる雲で、着いた時には肝心の御釜が見えなかった。5分ほど周辺をうろうろしながら待っていると、辺りを覆っていた雲が流れていき、やっと御釜を見ることが出来た!天候や気温によって色が変わるため五色沼とも言われているらしいが、この日は緑色の御釜だった
ちなみに駐車場はコンクリートで整備されているが、御釜の近くまで行くとなると石がごろごろと転がっている斜面を歩くことになる。ヒールやサンダルは足元が不安定なので、スニーカー必須
【蔵王山登山記録】
御釜沿いに進んでいくと、日本百名山「蔵王山」の山道に合流する。御釜のことしか頭になかった私は、YAMAPで蔵王山の地図をダウンロードするのを忘れていて・・・泣
記録を付けずに登山開始!!
駐車場の時点で標高が1,700メートルくらいあるので、1,841メートルの山頂までは楽に登ることが出来た
とはいえ、デニムにスニーカーという格好で登った私。やっぱり登山靴の方が歩きやすくて、登山靴のありがたみを感じた
頂上ではお待ちかねのお昼ご飯!!夜のお宿ご飯に備えてコンビニパンだけど、景色のいい山頂でとる食事は格別!!
風が強くて流れる雲のスピードが速いなあとか、右手には山形の町らしきものも見えて、のどかだなあとか、そんなことを話しながら食べていたけど、めちゃ寒い!!腹ごしらえをさっと済ませたら下山
蔵王山には背の高い植物はないし、駐車場からの大体の道筋が見えるので歩きやすい
ところどころに立っている、非常時の避難を促す看板を見るとドキッとするけどね
無事に下山して今回のお宿に向けて出発🚗
あの長い坂を、今度は下ります
レンタカーの店員さんにも言われたけど、下りはエンジンブレーキ必須!!
青根温泉 湯元 不忘閣(あおねおんせん ゆもと ふぼうかく)
【温泉の特徴】
✔「不忘閣」という名前は、約500年前に滞在した伊達政宗が、「この感激と喜びを忘れないように」と付けた名前なんだとか。のろしを確認したり、密談にも使われていたというこの場所は、とても見晴らしが良く、今でも国の登録有形文化財が7棟も・・・館内のどこを歩いていても、歴史を感じられる
✔芥川龍之介、与謝野晶子夫妻、山本周五郎などの著名人が滞在。温泉好きはもちろん、歴史好き、本好きな人にとってもたまらないお宿
【こんな方におすすめ】
✓歴史好き、本好きな方
✓貸切風呂でゆっくりしたい方
✓何百年も前から時が止まっているような場所でゆっくりしたい方
【温泉情報】
この会員宿
∟日本秘湯を守る会
泉質
∟単純温泉
利用形態
∟源泉かけ流し
営業期間
∟通年営業
日帰り入浴
∟不可
標準宿泊価格
∟18,300円~19,950円
チェックイン/チェックアウト
∟15:00/10:00
駐車場
∟あり
送迎
∟あり(要予約)
旅館の住所
∟〒989ー0908
宮城県柴田郡川崎町青根温泉1-1
【記念すべき10個目のスタンプ】
不忘閣は、青根温泉の温泉街に着いて、すぐ左手!わかりやすい!
入り口から軽い坂を登って、写真に写っているのが入り口かと思いきや、さらに奥の建物が旅館の玄関、その前が駐車スペース
区画線が引いてあるわけではないけど、スタッフさんがすぐに出てきて案内してくれるので楽に駐車することが出来ました
私のスタンプ帳は、ついにこの旅館で10スタンプ目♨記念すべきプレゼント宿泊はどこにしよう
そんなことを考えつつ、ロビーの長椅子に座りながらチェックインをして館内の説明を受ける。お風呂があっちにあったり、こっちにあったり・・・方向音痴な私にとって、毎度のことながら迷子になりそうな間取り
駅とか病院みたいに床に行き先書いてほしいな・・・
【フロント近くのお部屋がおすすめ】
気になるお部屋は、フロント近くにある「伊勢」
部屋に入って左手にお手洗い(ウォシュレット付き)、右手に冷蔵庫。奥には2人で寝るには十分すぎる広さの客室が続いている。そのさらに奥には中庭を見られる広縁があり、左手にはまるでホテルのような立派な洗面台がある。古い館内図を見ると、洗面台の向かいに浴室が付いている部屋だったようだが、現在は扉は隠され、入れないようになっていた。布団は夕食時に敷いてくれるスタイル
このフロントに近い部屋で良かったなと思ったのは、貸切制のお風呂(蔵湯)が近いのでお風呂の空き具合がチェックしやすいところ!人気の蔵湯は時間予約制ではなく、空いたら入れるスタイルなので、10分おきくらいにお風呂の様子を見に行っていた。部屋が遠かったらフロント前の長椅子で出待ちしていたかも!笑
ちなみにこちらのお宿に宿泊する際は、足腰が元気なときがいい!館内が広く段差が多いことや、食事のお部屋が2階にあること、また、たくさんあるお風呂の雰囲気がそれぞれ違うように、お風呂に向かう通路も様々。狭かったり、階段があったり、履物を変えたり・・・で足を痛めているときは移動が大変そう。
【アメニティは一通りある】
浴衣、帯、羽織、足袋、歯ブラシ、タオルという感じ
ちなみに浴衣の柄はこんな感じ
【夕飯前から日本酒を1杯】
夕食まで時間があるので、喫茶室に行って日本酒を1杯。なんと夕食前まで、日本酒とおつまみを無料で楽しめるのだ!夕食を最大限楽しむためにも、食べ過ぎ、飲みすぎには注意!喫茶室にはそのほかにも、常にドリップコーヒーや冷水が置いてあるので、お風呂上りにここでゆっくり休憩することが出来る
青根御殿を見ながら休憩
喫茶室には不忘閣の歴史の資料も置かれている
【透き通ったお湯と歴史が刻まれた浴室】
お風呂は5か所(新湯は工事中で入浴不可だった)
私が気に入った順だと
♨蔵湯 15:00~8:00 1組30分の貸切制 洗い場はない
♨大湯 女性8:00~20:00、男性20:00~8:00の男女入替制 洗い場はない
♨亥之輔の湯 貸切 洗い場はない
♨御殿湯(大)(小) 男女入替制 洗い場あり
御殿湯(大)男性8:00~20:00、女性20:00~8:00
御殿湯(小)女性8:00~20:00、男性20:00~8:00
という感じ。少し細かく記録に残すと
♨蔵湯
その名の通り、蔵の中に浴槽があるこのお風呂は、1組30分の貸切制。フロント横にあるA4サイズくらいの厚い木の札をお風呂の入り口に持ってくると入浴することが出来る。つまりはフロントに木の札がない時には、誰かが入浴中ということ
人気のお風呂らしく、常に誰かが入浴中の状態でした
旅館側で時間を管理しているわけではないので、前の人がいつ出てくるのか分からない。フロントの長椅子で出待ちをしてもいいけど、フロントに近い部屋だと、部屋でゆっくりしつつこまめに見に行くことが出来るのでおすすめ
運よく札を手に入れられたらいよいよ中へ。宿泊する建物から蔵までは土間になっているので、サンダルに履き替えて中に進みます。薄暗く、少し不安になりながら歩いていくと、やっと奥に秘湯を守る会の提灯が!!
蔵の中に入ると右手がお風呂、左手が脱衣スペースという形。洗い場はありません。お風呂がメインでライトアップされていて、透明なお湯がきらきら輝いていてとてもきれい。入浴は4人までとのことでしたが、6人くらいはゆっくり浸かれそうな広い湯船。開放感のある、気持ちのいいお風呂でした。脱衣スペースには籠が置かれているだけで目隠しはありませんが、貸切ですし、浴槽からも離れているので衣服がぬれる心配もありません
♨大湯
男女入替制で、女性は8:00~20:00だったので、チェックイン当日に入浴しました。
サンダルに履き替えて、宿泊している建物から隣接している大湯の建物までをつなげた数段の細い階段を通って移動します
こちらも壁際に籠が置かれているので、そこに浴衣を入れます。切石の浴槽は、1546年に施工された浴槽当時のままで、もともとは地域の共同浴場だったそう。なるほど、広い空間の中央にあるのは、まるでバスのように細長い広い浴槽で何人でも入れそう。入浴したときは私1人しかいなかったので、この広い空間全部を味わおうと思い、浴槽の端に浸かり、反対側の端に流れ出てくる遠ーーーくのお湯を眺めていました。が、結局さみしくなったのですぐ退散!笑
そのお風呂の横に、大きい木の桶風呂のようなものがありましたが、お湯は入っていませんでした
♨亥之輔の湯
貸切制で、亥之輔の湯に向かう扉に内鍵がかかっていなければ、入ることが出来ます。こちらは貸切札がなく、入浴中か分かりづらいので注意が必要です。まるで茶室のような造りになっていて、入り口は背が低く、中も狭いです
青根御殿に続く階段の下に造られているので、天井が低く、石垣を間近に感じながら入浴できる。お風呂は小さいL字で、入るのは大人2人までかな。蔵湯、大湯と大きい分、余計に狭く感じて、秘密基地感がある!
御殿場の横に位置しているので、御殿場で話している声が丸聞こえ!笑
♨御殿湯(大)、(小)
不忘閣で洗い場があるのはここのみ。シャンプー、リンス、メイクも落とせる洗顔料、髭剃りジェルがそろっている。この場所に、もともとお殿様が入っていたお風呂があったと聞いて、気分はお殿様!
開放的な気分になってお話ししたり、一人だと思って歌を歌うのは注意!蔵湯に入浴している人に聞かれているかもしれない・・・笑
♨新湯
今回は工事中で入ることが出来ず。また来ることがあれば、工事が終わってから来たいなあ
【夕食】
お待ちかねの夕食は2階の個室でいただく
階段で2階に上がり、部屋の名前を伝えると自分の部屋を案内してくれる。階段も立派
小上がりの和室だけど、椅子に座って食べるスタイル
メニューは月単位で変わるらしい。今回の滞在は秋で、栗のペーストに茶そばを刺して、栗に見立てた毬栗は食感も面白かった
さすが歴史のある温泉宿。竹に雀の伊達家の家紋が入っていたりと、食器にもこだわりがある
黒毛和牛の鉄板焼きがあったのに、食欲に負けて撮るの忘れた・・・
そして私が食事の時に気になること・・・それは白米の出てくるタイミング。お酒もいただくが、御造りなどはどうしても白米と共にいただきたい。今回も、白米を先にいただけるか聞いてみたところ、早く出してもお蕎麦のあと(ほぼ後半)という決まりがあるらしい。残念だけど、ルールなら仕方がない。もし、私と同じように、御造りと白米をセットで楽しみたいよ!お酒飲まないから早く白米ほしいよ!という人がいたらお蕎麦の後まで待とう⏰
【朝食】
朝食は8:00から。夕食と同じお部屋でいただきます
魚の塩焼きと湯豆腐、あとは定番の温泉たまごにサラダ
一番気に入ったのはがんもどき!!ふわふわで、出汁が染みていて最高に美味しかった
朝食後8:50~は、おかみさんによる青根御殿ツアー。普段は立ち入り禁止のエリアに入って、不忘閣の歴史を聞いたり、古文書を見たりすることが出来ます。最上階からは、作家山本周五郎が「樅の木は残った」の一部を執筆した時、モデルとした樅の木を見せてもらえました
【お宿の感想まとめ】
お風呂
なんといってもお風呂が素晴らしい。広い浴槽に、さらに広い蔵という空間の贅沢使い。貸切風呂があるので、カップルや家族で行っても一緒に楽しむことが出来るのもいいポイント
客室を制する者がお風呂を制する!?
貸切の蔵湯は予約制ではないため、フロント横またはお風呂の入り口まで行って空いているか確認する必要があるが、フロントから離れている部屋だと確認するために歩くのが大変そう。このお宿に宿泊して蔵湯に楽に入浴するのであれば、フロント近くの部屋を借りられるかどうかが鍵となる
宿泊する部屋がフロント近くでも、食事の部屋に行くまでの階段、お風呂場までの距離や、途中にある階段、通路の幅の狭さを考えると、足腰を痛めているときはやめておこう。
食事
メニューは毎月変わるようで、とても繊細に作りこまれていて満足。食器も要チェック!ただ、白米を先にいただけないのが白米好きには辛い・・・
喫茶室でお酒が飲めるのも嬉しいサービス
館内
国の登録有形文化財がお風呂やお食事処として現在も使われているので、館内のどこを歩いていても歴史を感じられる。温泉好きだけではなく、歴史好きな人にとってもたまらない宿。関連する書物を読んだり、歴史を勉強してから宿泊すると、より楽しめるに違い